20:41分
パチパチパチ・・・
目頭を押さえ、あまりの感動に手まで一緒に震えてしまう・・・。
会場にはその様なお客様もいらっしゃったのではないでしょうか？
そんな素晴らしい歌声と演奏を聴かせてくれたお礼にと、
僕らは精一杯の気持ちを込めて、舞台に立つ人たちに
拍手を送ります。

この後はRIKKIさんへの質問が待っていたので、
森田さんと青木さんが再び舞台に登場します。

「どうも〜、ありがとうございました〜」
「ありがとうございました！」

いつもの労いの言葉から、トークショウが始まります。

「え〜、歌はRIKKIさん。ピアノは黒田亜樹さんでした」
「ありがとうございました〜」

森田さんがRIKKIさんを舞台中央へ誘導して、臨戦態勢＞笑
に入ります。
今度はどの様な質問、そしてどの様な返答がくるのか？
竹本さん、天野さん、黒田さんと、ゲストの方への質疑応答は
意外な話が聞けて大変面白いので、この時を、演奏同様
ワクワクしながら僕は待っていました。

すると、FF10が一番記憶に新しく、一番ハードな仕事となった
森田さんと青木さんが「素敵だね」について振り返ります。

「僕たちにとって一番思い出深い・・・」
「本当に良いシーン、良いタイミングで掛かるので、
　思い出してしまった方も多いのでは？」

う〜む、これはきっと例の「水中デート」の事を指していると
思うのですが、前述したようにアダムはそこまで行ってないので、
身も蓋もない言い方をすれば、思い出も何もありません。(^^;
でも、会場にはスクリーンに映し出される映像と、RIKKIさんの
歌で涙するお客さんも沢山いらっしゃったのですから、
思い出の園へ足を運んだ方は多かったと思います。

って言うか、僕だけ特別な存在だと思ふ・・・。

「感動の場面ですよね〜」

あう！
RIKKIさんまでこの様なご感想を・・・。
確か「素敵だね」のプロモーションビデオ(PV)の中には、
FF10のムービーが随所に含まれており、水中デートのシーンも
その中に含まれていたような・・・。
だからきっと、本編でのチェックももちろんですが、
PVの作成でも何度と無くそのシーンを見ていると思われるので、
RIKKIさんにとっても出演者の皆さんと同じように、思い出深い
一場面となっているのでしょうね♪

この後、青木さんからRIKKIさんへの質問タイムが始まります。

「RIKKIさんご自身がこの『素敵だね』と言う曲に
　初めて出会ったときの感想なんかをお聞かせ願えますか？」
「この曲は・・・FF10の曲でもあるんですけれども・・・
　最初曲を頂いたときに、自分の曲のように親しみがあって、
　直ぐに自分の歌に出来たって言う事を覚えていますね」

「直ぐ、自分の歌に出来た・・・」って、凄いですよね。
僕は歌手ではありませんし、自分の歌なんて一つもありません。
小学校の頃に考えた変な物はありますけど(^^;
だから歌い手の方が自分の歌を物に出来たとき、
どの様に感じられるのかが全く分からないのですが、
達成感とか、充実感、征服感・・・は違うかな？
とにかく、何かこう心にグッと来る物があるのでしょうか？

カラオケなどに言って、自分の持ち歌とかが上手く歌えた時などは
かなり嬉しかったりしますけどね。
これが自分の曲ともなれば、
感動の度合いも大きく違うのでしょうね。

「私はユウナを演じた(笑)だけあって、凄くユウナの気持ちとかを
　重ねて聴いてしまうんですが、歌ってらっしゃる時は
　どう言ったイメージで歌ってらっしゃるんですか？」
「そうですね。詞をやっぱり意識して、私は小さい頃に良く星空を
　眺めていたので、その頃の事を良く思い出して歌っています」

歌を歌うときにイメージする物・・・。
僕なんかは比較的、本歌を歌っている方を思い浮かべながら
歌うことが多いのですが、「素敵だね」を歌うRIKKIさんは
奄美の星空を思い浮かべていらっしゃったんですね〜。

きっと光化学スモッグが立ちこめる東京の夜空とは比べ物に
ならない程美しい、星々の瞬きが見られるのでしょうね〜。
今にも星が落ちてきそうなくらい、まぶしく光り輝いているんだと
想像できます。
いやはや、素敵です♪

そして曲の感想が終わると、今度は森田さんの方から、
レコーディング時の植松さんについて、RIKKIさんに質問。

「『素敵だね』なんですが、レコーディングの時の植松さんは
　どんな感じ？だったんでしょうか？」
「どういう感じと言うと、え〜と怖かったとか？」
「うふふ♪」
「怖い事は多分無かったと・・・」
「ええ、ええ、全然無いです」

RIKKIさんのお茶目な切り返しに、思わず笑ってしまう青木さん。
そして、まじめに受け答えをする森田さん。
もしここでRIKKIさんが、

「植松さん、怖かったですよ〜」

なんて感想をもらしたりしたら、僕は何を信じて生きて行けば
良いのか分かりません・・・とはちょっと大げさですが、
そう言うことにはならなかったので、めでたし、めでたし。

「一つ一つ、私の特徴としている(笑)ファルセットの
　部分とかを、凄く理解してくれていて・・・。
　そこをこう、引き出してくれるって言うんですか？」
「じゃあ素晴らしい形でレコーディングを進められた…と？」
「そうですね♪」

音楽音痴なアダムは「ファルセット」なんて横文字の存在は
今まで知りもしなかったですが、「裏声」のことだそうです。

途中、「私の特徴〜」と言うところではにかむRIKKIさんが
とても可愛らしくて印象的でした。

でも、こう、植松さんって、何でも出来るのですね。
教える先生が上手いと、生徒の伸びも著しい物になると思う
のですが、植松さんとRIKKIさんの組み合わせだったからこそ、
あそこまでの曲が出来上がったんじゃないかなぁ〜？と
思いますね。

この後、楽しい質問コーナーは終わりを告げます。
RIKKIさんとの甘い生活は(笑)、時間にしたら２〜３分程
だったでしょうか？
ちょっと短かったので、少々物足りなく感じましたね〜。

「今後ともご活躍の方、期待してます。
　どうもありがとうございました〜」
「ありがとうございま〜す」
「RIKKIさんでした〜」
「もう一度大きな拍手を・・・ありがとうございました！」

森田さんの呼びかけに併せて、RIKKIさんへ熱い拍手が
届けられます。
「素敵だね」と言う感じです♪

さて、この後はどの曲が待っているのだろう？
そう思っていると、舞台にはまだ司会のお二方が残っています。
曲紹介でしょうか？

「さて。ここまでFFの音楽を皆さんと一緒に聴いてきましたけど、
　青木さん、どうでしょう？」
「感動してます！オーケストラで聴く曲というのは、迫力ある曲は
　より迫る感じがするし、繊細な曲はより心に響いてくる・・・。
　やっぱり演奏して下さる皆さんの空気感とかが伝わってきますね」

うわ〜。
青木さんの感想に、なるほど、なるほどと相づちを打ちます。
そして気になる森田さんの感想は？と言うと・・・。

「そうね。息遣いって言うか、空気が迫ってくる様な感じが
　オーケストラの醍醐味かな？って思うんですけど。
　まあ僕はずっと聴いていて、やっぱりFFって言う作品は、
　凄くメッセージ性の強い作品だと思うんですよ。
　それが大きな星の話だったり、一人の人間の話であったり。
　そこに皆さんは共感しているんじゃないかな？どうでしょう？」

今までお二人で話していた内容を、客席の僕たちに振って
同意を求められる森田さん。
もちろん僕たちは、

「そうそう！その通りだよ、モリっち！」

と馴れ馴れしく思ったのは、書き手である僕だけだと思いますが、
大きな拍手でもって森田さんの問いに応えます。

「そして皆さんが感じているように、その中に登場する
　キャラクターたちも一緒に共感してると思います。自分らしさ。
　生きる為の信念。今何をすべきか？自分が守るべき物」
「そして、自分がいつか帰る所をずっと探し求めているのです…」

そうですよね〜。
様々なドラマがゲームの中にも存在し、その中の人物たちも、
僕たち人間と同じように必死で生きて、悩んで、苦しんで、
自分を探し続けているんですものね。

お二人の口から発せられた流れるようなスピーチが、
次曲へのプレリュードとなります・・・。